平成19年より、出資持分のある医療法人の設立が認められなくなりました。
出資持分のある医療法人は出資者の請求により、資産に応じた持分が払い戻されます。持分ですから、出資額ではなく、資産に応じた出資割合ですので、(相続などの際に)払い戻しのリスクにより、医業経営が不安定になりやすく、また、医業経営に関わらない方が多額の利益を得るという不都合を防ぐなどの理由により制度が変更されました。
ただし、持分を放棄させると医療法人へ贈与税がかかりますので、平成26年から認定を受けた医療法人に関しては、贈与税を免除または猶予する制度ができましたが、移行がなかなか進まなかったため更なる移行促進のため、平成29年より要件緩和や贈与税が非課税となる制度ができました。
持分なし医療法人への移行についても当事務所までご相談ください。
【移行要件について】
・運営方法
@ 法人関係者に対し、特別の利益を与えないこと
A 役員に対する報酬等が不当に高額にならないような支給基準を定めていること
B 株式会社等に対し、特別の利益を与えないこと
C 遊休財産額は事業にかかる費用の額を超えないこと
D 法令に違反する事実、帳簿書類の隠ぺい等の事実その他公益に反する事実がないこと
・事業状況
@ 社会保険診療等(介護、助産、予防接種含む)にかかる収入金額が全収入金額の80%を超えること
A 自費患者に対し請求する金額が、社会保険診療報酬と同一の基準によること
B 医業収入が医業費用の150%以内であること